JAZZ用語事典【ジャズスポット コンサート・ホール】

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ヴィレッジ・ヴァンガード（Village Vanguard）
ニューヨーク、グリニッチ・ヴィレッジにあるジャズクラブ。
1935年創業だが、ジャズ専門になったのは57年からで、ソニー・ロリンズ＊に始まり、ジョン・コルトレーン、
デクスター・ゴードン、ディジー・ガレスピー、コールマン・ホーキンズ、ビル・エヴァンスなど、
多士済々がここでライブ・レコーディングをし、おそらくライブ盤を最も多く録音しているライブハウスである。
66年からは、オーナーのマックス・ゴードンの好意により、サド・メル・オーケストラが店の休日である月曜に
公開リハーサルを行うようになり、現在もヴァンガード・ジャズ・オーケストラとして引き継がれている。
サド・メル・オーケストラのアルバム「New Life」には「マックス・ゴードンに捧ぐ。」とのサブタイトルが付いている。
彼は現在は亡くなり、経営は妻のロレインが受け継いでいる。

カフェ・ソサエティ(Cafe Society)
1938年にニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジにオープンしたナイトクラブ。
名プロデューサーのジョン・ハモンドの肝いりで、当時のコットン・クラブのように黒人のショーを売り物にしながら、
客は白人しか入場させないといった差別的な待遇を一切排除して人気を博し、文化人達のサロンのような存在になった。
ビリー・ホリデイもこの店を好み、レスター・ヤング、アート・テイタム、エラ・フィッツジェラルドなども出演した。
時として、かなり過激な政治的イベントも行なわれたので、47年、反アメリカ活動の疑いをかけられ、客離れと共に翌年閉店する。

カフェ・ボヘミア(Cafe Bohemia)
ニューヨーク、グリニッチ・ヴィレッジにあったジャズクラブで、今はもうない。
ライブ・レコーディングで有名な場所で、マイルス・デイヴィス、アート・ブレイキー、
ケニー・ドーハム、J．J．ジョンソンらのライブ盤が有名。
この店をイメージしたオスカー・ペティフォードの曲、 Bohemia After Darkは有名で
他の人にもよくカバーされた。

カーネギー・ホール（Carnegie Hall）
イギリスのアルバート・ホール（Albert Hall）と並び、「クラシック音楽の殿堂」と称される名門ホール。
ニューヨーク、マンハッタン地区にあり、1891年、鉄鋼王といわれたアンドリュー・カーネギーにより建設され、
こけら落としにはチャイコフスキー＊が出演した。
ジョージ・ガーシュイン＊、ハリー・ベラフォンテ、デューク・エリントンなど
ジャズに縁のあるミュージシャンも多く取り上げている。
2003年にホールの改修を行ったが、旧ホールの方が響きがよかったとの評判も。

コットン・クラブ
1920~33年の禁酒法の時代、20年にヘビー級チャンピオンのボクサー、ジャック・ジョンソンが
クラブ・デラックスとしてニューヨーク、ハーレムで開業。
23年にはギャングの手に渡り、コットン・クラブと改名された。時代が時代だけに、
出演者は全て黒人、客は白人のみという人種差別主義的な趣味の店で、音楽を聴かせるというより
黒人を野蛮人扱いし、半裸の女性を踊らせ面白おかしくショーにしていたらしい。
エリントンもジャングル・ミュージックなるものを発明し、このショーの伴奏をしていた。
出演者は他に、キャブ・キャロウェイ、エセル・ウォーターズ、フレッチャー・ヘンダーソン、
ジミー・ランスフォードなど。1940年には閉店したが、78年に同名の店がハーレムで開店した。
この辺の状況をフィクションで描いた映画「コットン・クラブ」が、フランシス・コッポラにより、
1985年に発表されている。

ファイブ・スポット(Five Spot Cafe)
ビレッジ・ヴァンガードと並び、ジャズのライブ録音で有名なニューヨークのクラブ。
57年にマンハッタン地区内で広い店に移動、キャバレー・カードを取り戻したセロニアス・モンクや
ジョン・コルトレーンをこけら落としに７ヶ月間のライブを敢行、一躍ニューヨークの一流クラブとなる。
59年のオーネット・コールマンらの６週間に亘る公演はジャズ界に衝撃を与え、エリック・ドルフィ＊、
ペッパー・アダムス、ケニー・バレル＊他多数がこのクラブでのライブ録音を残している。
ベニー・ゴルソンの作になるFive Spot After Darkも有名曲。

ミントンズ・プレイハウス(Minton’s Playhouse)
ビバップ前夜から、閉店後のジャム・セッションで有名だった、ニューヨーク、ハーレムにあった店。
ガレスピー、セロニアス・モンク、チャーリー・クリスチャンらのライブ録音もある。
74年に閉店したが、2006年に再開店したらしい。


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