オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)“O.P.”

1925~2007
サックスにおけるチャーリー・パーカーと同様、
ピアニストでこの人の影響を受けていない人はいないとまでいわれる巨匠中の巨匠。
50〜60年代、超絶技巧を駆使し、派手で明るく楽しいショーアップされた演奏は大人気を博したが、ポップスなどを多く採り上げ、圧倒的な音数で弾きまくるスタイルは硬派の批評家から批判の対象にもなった。

カナダ、モントリオールの音楽一家に生まれ、5歳からクラシックピアノを始め、十代でプロのジャズプレイヤーとなる。
当初はテディ・ウィルソンナット・キング・コールなどの影響を受けたスタイルだった彼は、盲目の天才ピアニスト、アート・テイタムの演奏に触れ、その超人的テクニックに圧倒され自信を失ってしまう。しばらくピアノに近づけなくなるほどの衝撃を受けるが、その後テイタムのスタイルを吸収し、さらに独自のスタイルを築くことになる。
(プリーズ・リクエスト,
1964:原題は
We Get
Requests)
1949年、カナダを訪れたノーマン・グランツが空港へ向かうタクシーで、
ラジオ生放送中のピーターソンを聴き、そのままライブハウスへ直行、契約したというエピソードも有名。
直後にノーマンの主宰するJ.A.T.P.カーネギー・ホールでのコンサートに参加し、世界的デビューを飾る。
この後、ピーターソンとノーマンの関係は生涯にわたり、続くことになる。

トリオ演奏が主な編成で、
初期(52〜57年)は
ギター(バーニー・ケッセル*、ハーブ・エリス*)
ベース(レイ・ブラウン)
とのドラムレストリオ。

中期以降は原則として、ギターをドラムスに置き換えた通常のトリオになり、
中期前半64〜5年までは
ベース(レイ・ブラウン)
ドラムス(エド・シグペン)
65年に、長きに亘りバンドを共にした盟友レイ・ブラウンが西海岸へ移住のため退団、

中期後半(66〜70年)は
  ベース(サム・ジョーンズ)
  ドラムス(ルイス・ヘイズボビー・ダーハム)
が主なメンバー。
さらにこれにゲストを迎える形でさまざまなミュージシャンと共演している。

72年以降の後期はノーマンの引き合わせでベースの名手、ニールス・H・O・ペデルセン
これまたギターの名手ジョー・パスを迎えてのトリオカルテット
またはかつての盟友達との再結成バンドなどで活躍。

93年に患った脳梗塞なども克服しながら演奏活動を続けるが、2007年に腎不全で死去。

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