1914~1993 ビバップ時代初期の、新進気鋭の若手ミュージシャンを起用したオーケストラのリーダーであり、 黒人初の「クルーナー」ヴォーカリスト。 当時の黒人ヴォーカリストはいかにも黒人らしく唄うことが求められたが、エクスタインはバリトンでストレートにバラードなどを唄い、人気を博した。39年、アール・ハインズ・オーケストラに加入、たまにはトランペットも 吹いたらしい。44年には自分名義のオーケストラを結成、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー、 デクスター・ゴードン、マイルス・デイヴィス、ファッツ・ナヴァロ、アート・ブレイキー、サラ・ヴォーン*など、そうそうたるメンバーを配し、その後のジャズ史に与えた影響は計り知れない。 47年に大所帯でツアーが難しくなり、ソロに転じる。ちょうどこの時代は、ヴォーカリストがオーケストラに所属する「座付き」だった時代から、個人で直接レコード会社と契約する時代への移行期にあたる。 ヴォーカリストとしては、その後、より洗練されたナット・キング・コールなどの登場により人気は長続きしなかった。 |